【その他のビザ情報 H-1Bビザ Eビザ】
L-1ビザは、一般にアメリカの子会社や合弁会社など所定の関係がある企業へ派遣される従業員に対して発給されるビザです。L-1ビザは、エグゼクティブ及び管理職を対象としたL-1Aビザと、専門知識を持つ人を対象としたL-1Bビザの2種類に分かれます。L-1ビザはEビザに酷似しており、どちらも日系企業が現地法人へ従業員を派遣する際によく使われるビザですが、EとLとでは手続き面、取得要件の面で微妙な違いがあります。
H-1Bビザの特徴は以下の通りです。
- 初回取得ビザ有効期限:最長3年(設立直後の会社の場合は1年)
- 滞在期限(I-94):原則、ビザの有効期限に同じ
- 移民局での事前審査:要
- 期限の延長:L-1Aは最長4年、L-1Bは最長2年まで延長可能
(L-1Aの資格では最長7年、L-1Bでは最長5年の就労可)※
※その後国外で1年間過ごした後に再申請可
1. 雇用者側の要件
L-1ビザを申請する雇用者には、以下の点が要求されます。
【要件】 派遣元(例えば日本)の会社はアメリカの会社の子会社、親会社、関連会社、支店といった派遣元、派遣先の会社間に所定の関係があること。
L-1ビザの要件を満たす2つの会社の関係は、以下の通りです。
親子会社関係
親子会社の関係は、オーナーシップと実質的な会社の支配権をどこが握っているかでその存否を判断します。一方が他方の50%超の株式を所有していれば、親子会社の関係が存在すると見做されます。ちょうど50%の合弁企業の場合でも、合弁のパートナーと同等の経営支配権、及び拒否権を持っていれば親子関係はあるとされます。さらに、50%よりも低い持分比率であっても(例えば株式の種類が複数ある場合、4社合弁の場合など)、事実上の支配を証明できれば、親子関係ありとみなされる場合があります。
関連会社
関連会社に該当するには、以下のいずれかの要件を充足する必要があります。
- 両方の会社が同一の親会社または個人に所有、支配されている2つの子会社のうちの1つあるいは、同一の個人グループ(会社ではなく)によって所有及び支配されている2つの事業体のうちの1つで、各個人が各事業体のほぼ同じ持分または比率を所有、支配しているもの
- 経営及び/または顧問サービスと共に会計処理サービスを提供し、会員である監査法人によって所有、支配されている全世界的に調整された組織との合意との下に、国際的に認められた名称でそのサービスを提供している国際的監査法人
2. ビザを取得する個人に対する要件
L-1ビザを申請する個人には、以下の点が要求されます。
【要件】 ビザ申請直前の3年間のうち少なくとも1年間、継続してアメリカ国外の会社でエグゼクティブ、管理職、専門知識の必要なポジションのいずれかに従事していた。
L-1ビザの要件を満たすエグゼクティブ、管理職、専門知識の必要なポジションとは、以下の通りです。
エグゼクティブ
事業体全体あるいは事業体の主要な構成部分の経営指揮に参加し、それらの目標や方針を決定しうる権限を持ち、自由裁量による広範な決定権を持っており、上層の役員、取締役会、または株主から最小限度の監督を受けるだけの立場をいいます。社長、副社長などが該当します。
管理職
事業体またはその部・課を管理する立場にある者、他の専門職・管理職の従業員の仕事を管理・監督する立場にある者、あるいは事業体内部、または部・課の重要な機能を管理する者などを意味します。
専門知識の必要なポジション
会社の製品、サービス、研究、設備、技術、経営などの分野において、国際市場に生かせるような商品の生産方法やサービス手順といった高度の専門的特殊知識を必要とする職種をいいます。
H-1Bビザ同様、移民局へL-1AまたはL-1Bの資格申請を行います。雇用者が「申請人」となり、派遣される社員はL-1の「資格受給者」として申請します。申請はその採用者が働くこととなる勤務先住所を管轄する移民局サービスセンターに対して行います(審査期間はそれぞれのサービスセンターによって異なります)。L-1の資格審査が終わり、承認が下りると、移民局から承認通知書が送られてきますので、その後、アメリカ国外大使館・領事館(日本、カナダなど)にて実際にパスポートに付されるビザの発給申請を行います。
(情報提供/タフト・スタティニアス・ホリスター法律事務所 中尾俊夫弁護士 www.taftlaw.com)
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