【その他のビザ情報 H-1Bビザ L-1ビザ】
Eビザは、アメリカと友好通商航海条約または相互投資条約を締結している国が利用できるビザです。E-1ビザ(Treaty Trader)とE-2ビザ(Treaty
Investor)の2種類に分かれ、日本は上記条約の締約国であるため、日本の会社がアメリカの現地法人に社員を派遣するような場合にはEビザを取得できる可能性があります。永住権を取得することなく長期の滞在が可能であるため、頻繁に転勤させたくない役員や管理職の派遣に使われることが多いようです。また、日本企業からの駐在員は、圧倒的にE-2ビザを取得されることが多いようです。
Eビザの特徴は以下の通りです。
- 初回取得ビザ有効期限:最長5年
- 滞在期限(I-94):入国日より最長2年
- 移民局での事前審査:不要(延長時には要)
- 期限の延長:ビザ、I-94共に無期限に延長可能※
※申請時のポジション・職務内容に変化がなく、投資・貿易事実が継続していることが条件
1. E-1ビザ(貿易家ビザ)
E-1ビザでいう貿易には、「商品」の貿易だけでなく、サービス、技術の取引も含むため、国際銀行業務、保険、運輸、通信・データ処理、広告、会計、デザイン及びエンジニアリング、経営コンサルティング、旅行業、技術移転、情報収集活動などを事業内容とする会社もE-1でいう貿易家に該当する可能性があります。
【要件】
- 派遣元と派遣先の両方が日本国籍であること
(日本の会社がアメリカの現地法人の50%以上の株式を保持していること)
- 貿易は「主として」アメリカとの間であること
(アメリカ現地法人の日米間の貿易量が貿易量全体の51%以上であること)
- 貿易が「相当な」ものであること
2. E-2ビザ(投資家ビザ)
E-2ビザでいう投資は、すでに投資が始まっているか、積極的に投資をする過程にあるものである必要があります。例えば、アメリカに子会社を設立し、製造を始める計画があっても、その会社が未設立であったり、設立されていても資本金の送金、土地・建物の購入などが完了していない段階では、E‐2ビザの取得は難しくなります。また、商品あるいはサービスを実際に販売するような商業活動を軸に企業を運営していかなければE-2ビザの投資家とは見なされませんので、いわゆる「ペーパーカンパニー」を設立しただけではビザは取得できません。
【要件】
- 派遣元と派遣先の両方が日本国籍であること
(E-1と同じく、日本の会社がアメリカの現地法人の50%以上の株式を保持していること)
- 投資は「相当な」ものであること
(最低額はないが、投資先企業の評価額に対する投資額の割合で判断される)
- 投資先企業の「発展と指揮」を目的とすること
(基本的には経営の実質的な支配権を持っていることが証明できればよい)
3. ビザを取得する個人に対する要件
Eビザを申請する個人には、以下の点が要求されます。
【要件】
- 投資先で「エグゼクティブ」あるいは「管理職」として働くこと
(役職名や仕事内容、部下の数、技能の程度、給与額などに基づいて判断される)
- 投資先にとって「不可欠な能力・技能を持つ者」であること
(関連分野における知識・経験(専門性)の程度や経験の長さに基づいて判断される)
Eビザは、移民局へ書類を提出して承認を得る必要はなく、申請は在外のアメリカ領事に対して直接行います。最初の申請時だけは、実際にビザを申請する個人の他に会社の資格審査を受ける必要があるため、審査に比較的時間を要します。
申請書類は、本人のビザ申請書の他に、E特有の要件を充足しているかどうかを確認するための書式に必要な証拠書類をつけ、法人であればこれから人を派遣する側が派遣の目的や貿易・投資の内容などを詳細に記述したサポートレターなどを揃える必要があります。
なお、Eビザは他のほとんどのビザと異なり、家族(配偶者及び21才未満の子供)のビザも同じ分類となり、E-2ビザ取得者の家族のビザは同じくE-2ビザとなります。
(情報提供/タフト・スタティニアス・ホリスター法律事務所 中尾俊夫弁護士 www.taftlaw.com)
【その他のビザ情報 H-1Bビザ L-1ビザ】